今日も井上陽水(忍)

井上陽水ってどんなひと?わからないから知りたくて。今日も明日も明後日も。

   

映画『あゝ、荒野』は井上陽水の『氷の世界』だと思う

昨年末にテレビで「あゝ、荒野」を観たんです。一昨年見逃してた映画。といっても関心は主役の若い俳優と原作寺山修司。それだけで2時間半ずつ前編と後編をよく観たものです、我ながら。

集中力が続かないから、あとでSさんが「SEALDsみたいなデモが歩いてたよね」とか言ってきても記憶にない。「最後って・・なの?」ときかれたりして、謎は好きなのでオンデマンドでもう一度観た。続けて二回観られる映画って相当凄い。

主として二人のボクサーの話。BLっていうの?そういうのっぽくもある。設定は大幅に変えているけど、その辺は原作と通じているかも。あ、寺山修司の本も図書館で借りて読んだ。相当ヒマ、笑。そして映画はR15。
菅田将暉は期待以上で、もう一人の主役、韓国のヤン イクチュンがまたとても良くて。

2021年というからオリンピックの後の東京。雑然とした街、さまざまな人々。でも何かが足りないようだった、みんな。曖昧なやりきれなさ、みたいな空気。

半分ぐらいボクシングのシーン。憎しみをぶつけて勝ちすすむシンジ。

どこかでハーモニカが鳴っている。
“チャーチャララ チャーチャララ”
 気のせいか。

「アニキ」「シンジ」と呼び合う二人は最後本気の試合。文字どおりの死闘。

井上陽水の「氷の世界」聴いて描くのはどんな絵?
吹雪ではないし、ましてや七人の小人でもない。

これだっだんだ!と思った。この映画から受ける何かをずっと前から知ってる気がした。
映画「あゝ、荒野」は、どのシーンというのではなくて五時間丸々「氷の世界」だと思う。永いときを隔てても。

原作の出版は1966年。「氷の世界」は1971年リリース。
1969年に上京した陽水はどんな東京を見ていたのだろう。

(映画「あゝ、荒野」2017年 監督:岸善幸 主題歌はBRAHMAN)


話はその映画から離れて。
陽水の上京より前、同じ年の博多。4月になって桜も咲いて、RKB毎日の井上悟さんが夜桜中継に出掛ける夜はもうすぐ。

いつのまにか曲を作って録音して、テープを用意していた陽水が、友だちと舞台に登場する。
「テープ作ったんですけど、聴いてもらえますか」

今年はいまの陽水を観て聴きながら、50年前、デビューの年の陽水と同じ季節を過ごせる年。
この今年を楽しみたい。タイムトラベラーの気分で。

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