今日も井上陽水(忍)

井上陽水ってどんなひと?わからないから知りたくて。今日も明日も明後日も。

   

「長い話」眠るとき聴く陽水その4

 2年ほど前から突発性難聴の後遺症で「音割れ」が続いている。これが説明しにくい症状で、聞く音が濁るというか、蛙の合唱が入り込むというか。音質にもよるし音の多少にもよる。音は少ないほうがよい。
 耳を気にする毎日毎夜、耳が主役のこの曲を。

「長い話」 アルバム『UNDER THE SUN』の最後、堂々と宇宙までうたうタイトル曲の後にこっそりと在る。

  ♪やすんだままで聞いていて
  ♪笑っていたっていいんだよ
  ♪時計を見たってかまわない
  ♪とにかく紅茶をいれようか
  
  ♪君の耳だけ 朝が来るまで
  ♪僕に向けていて

暖かい部屋でくつろぐ夜。紅茶の湯気にほっこりする風景にはじまる。 
楽器はベースとピアノとバイオリンたち。

最後のこの歌詞では「長い」を5回も繰り返してうたっている。

  ♪長い話を朝まで
  ♪君にしてあげる

 よほど長いのだろうと諦めて眠ろうとするが、「耳だけ」を強調する詞が気にかかる。1番の「時計を見たって」はまだよいとして「怒ってみたって」「本でも読んで」「眠ったままでも」、それで「耳だけ澄ましてね」って。いったい何を望んでいるのだろう。

 この部屋にいる長い話の相手の誰か。その心に届くことは望まないのだろうか。聞いてくれれば誰でもよいのか。耳だけ貸せって失礼な!怒って当然です。

 いやしかしこのシチュエーションでそんなはずはない。相手の誰かの心に届けたいが諦めている?本当はちゃんと聞いてほしい。会話もしたい。でもそれを言えない事情があるのか。話しても話しても空回りなのか。
 
 あまり聞かれないだろう小さな曲「長い話」。長いだけあって複雑です。
 やはりさみしい歌なのだろうか。

[24年2月24日追記]

 文字で歌詞だけ読んであれこれ考えるのは悪い癖だ。反省。
 点滴だけのための退屈な入院中の眠れない夜に、どんなにありがたく聴いたことか。楽器が少なくてシンプルな曲調のこの曲自体が「長い話」だった。陽水の声は割れもせず耳に柔らかく届き、繰り返し聴いて幸せに眠った。

 株価がどうのこうのより、気温が気になる毎日です。天気予報には、おや、傘と雪だるまが並んでいます。
 お休みなさい。見る夢はきっと春の夢。

 
 


 


















明けまして2024

2024年1月2日

明けましておめでとう、、と書こうとして大地震の報せに指がとまった。元旦の午後のこと。注意報は夜中もつづく。

あの方は大丈夫だろうか。海からは遠いのか。家は大丈夫だろうか。家具が倒れて怪我などしてないか。電気はガスは水道は。暗くて寒くて不安だろうに。

遠くに住むものはハラハラと心配することしかできない。
ご無事を祈っております。

良いニュースをひとつ。

井上陽水公式サイトTOP画像が変わりました!
いつ?どこ?
わからないけど心に陽が灯ります。


「鍵の数」眠るとき聴く陽水その3

眠りにはいるときに聴きたい井上陽水の曲
 3曲目は「鍵の数」作曲:平井夏美 
 『UNDER THE SUN』1993  鍵の数アレンジ 中西康晴
    『Blue Selection』2002 鍵の数アレンジ 井上陽水

  ♪鍵を束ねてあんなに
  ♪とめ金まではずれる程

 そんなに?
 玄関、部屋、車、郵便受け、宅急便ボックス、デスクの引き出し別々に、ねこ型の宝石箱、コレクション棚、、。
   沢山あるのは実は秘密かな?職場では昨夜のイヴの話題で賑やかだったが彼女がどう過ごしたか誰も知らない。今夜も華やかなイルミネーションに背を向けひとり帰る夜の道。
 
 こんな想像をしているうちに眠くなるとよいのですが。
 好きな曲です。聴くたびに具体的な想像を誘われる。主人公は女性で、仕事のできる人なんだろうな。過去は秘密なんですよね。

 あとは推薦者にお任せしましょう。

 眠るときに聴く陽水の曲、人さまざま、たくさん頂いてありがとうございます。わたしにもまだ隠し玉があります。まずは順番で聞いてみたいです。
 

 






2000年12月23日の井上陽水

今から23年前のこの夜は東京渋谷で陽水のライブがありました。

SHIBUYA -AXというライブハウス。たしかNHK ホールからそう遠くない場所で急拵えの感じの建物でした。一階はスタンディングでぎっしり、わたしは二階の椅子席で聴きました。
記憶によると、その二階席に筑紫哲也さんが居られました。News23のスタッフの方とご一緒に後ろのほうの中央のお席でした。

このSHIBUYA-AXはもう無いらしいです。

添付の写真は引越しの片付けでみつけたものです。なぜかセットリストが印刷してあった。同じ年の12月13日渋谷公会堂の公演と2回分。

渋谷公会堂も建て替えられて姿が変わりました。
大きな建物がどんどん壊されてもっと大きな建物が建つ。現在計画中の超高層ビルが都内に約80棟あるという記事が夕刊にあり、六本木ヒルズ20年という写真が載っていました。

この公演は六本木ヒルズがない頃!
昔々の話題でした。

「眠りにさそわれ」眠るとき聴く井上陽水その2

眠りにはいるときに聴きたい井上陽水の曲 
 2曲目は「眠りにさそわれ」
 『二色の独楽』(1974年)14曲の13曲目

 ♪想い出ひとつふたつ
 ♪夢に体が沈む
 ♪どこからか遠い調べが聞こえる

この曲が好きで、以前歌詞をお借りしてシリーズのように井上陽水サイト誕生の頃の想い出などを書いたことがあります。この曲のリズムにとても助けられました。

 ♪いつかは海の底
 ♪流れのない世界に
 ♪よこたわる心ゆくまで静かに

「おやすみ」の歌詞も合わせて、「永遠の眠り」を意味するのだろうかというご指摘のコメントを頂きました。

陽水は、しばしば「不吉な曲ばかり作ってきた」と冗談をいいますが、このようなフレーズを聞いてわたしはむしろ「ほんとにそろそろゆっくり休みたいよ」と妙に共感しちゃいます。

でも、この詞を書いている陽水は20代前半。人間にとって最大の不条理をもう受け入れていたのでしょうか。
陽水は50年あまり何を歌っているのか、聞く者が聞く何年もの間ずっと何を聞きとっているのか。
軽い気持ちで始めた眠るときの陽水の曲、スタートからこんな難題に出会ってしまいました。手に余るので眠ってしまいます。
おやすみなさい よい夢を♪

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