井上陽水 氷の世界ツアー2014
東京国際フォーラム ホールA 2nd (東京都千代田区)
2014年11月28日(金)19:00開演
01.映画に行こう
02.感謝知らずの女
03.娘がねじれる時
04.あかずの踏切り
05.はじまり
06.帰れない二人
07.チエちゃん
08.氷の世界
09.白い一日
10.自己嫌悪
11.心もよう
12.待ちぼうけ
13.桜三月散歩道
14.Fun
15.小春おばさん
16.おやすみ
17.リバーサイド ホテル
18.ジェニーMy love
19.愛されてばかりいると
20.とまどうペリカン
アンコール
21.アジアの純真
22.夢の中へ
23.少年時代
24.傘がない
おまけ:「Here,There And Everywhere」(The Beatles)
13番のあとで立ったときだったか、何気なくギターを鳴らして弾き始めて。
Piano & keyboards :小島良喜 Base:美久月千春 Drums:野崎真助 Guitar:今堀恒雄 Guitar:長田進
Chorus & Synthesizer:澤田かおり Chorus & Percussion:Lyn
一曲目は「映画に行こう」!また聴けて嬉しい♪
三曲終わって。
「みなさまにお集まりいただいたのは他でもございません」と、いつものように今日のコンサートの趣旨をのべ、「このような前口上を最初にしたのは4月でした。今日はそのツアーの最終日」とご挨拶。
長いツアーだった。
7月8月の中休みをはさんで5カ月間、台風による延期はあってもまずは無事に終わったことにほっとする。
どの地でも喜びをもって迎えられ、今日東京でこうして大喝采のうちに終わった。
おめでとうございます!
今日も「氷の世界」の部では特徴やエピソードが話されるが、今日は整理されてる感じ。何度か書いたことだが、わたしなりにまとめて書いておこう。
特徴のひとつは他人との共作。ディレクターに言われての初めての経験だが別に抵抗はなかった。
小椋佳作詞の「白い一日」長谷邦夫作詞の「桜三月散歩道」自分から誘った忌野清志郎との「帰れない二人」「待ちぼうけ」。
「桜三月……」についてはナレーションがあるためライブでうたったことはこのツアーまでなかった。
そして共作者のひとりであり友人となる清志郎とそのグループRCサクセションとの出会い。フォーク喫茶青い森の頃。RCサクセションには曲もだがメンバーのネーミングに興味をもった。アンドレ・カンドレと名乗っていた自分と同じ匂いを感じたのだろう。
清志郎が自分の部屋に来て、適当につくり始めた「帰れない二人」、詞曲一緒に1行ずつ交互につくったのではないかと思う。
すぐ出来て、カレーを作ってふたりで食べた。その後もう一曲とできたのが”カレーあと”の「待ちぼうけ」
(いつか清志郎は「カレーを自分で作れるなんて!」と感心したと話していたっけ。ちなみに今の陽水は、米子でのMCによるとソーメンを茹でることはできるそうです(*^_^*))
もうひとつの特徴はロンドン録音。アンカレッジ経由の飛行機。初めて外国で使った英語。ペンキの厚さに見られるような過剰さ、または強さ。肝心の録音作業についてはほとんど憶えていない。
素朴な三拍子の「チエちゃん」、童謡の「そうさん」のような。ディープ・パープル「ブラックナイト」のメロディが「もしもし亀よ」に繋がって大笑い。
作曲法の話。
基本的な詞先、次は曲先、ピアノを適当に弾いてもらって発想するピアノ先(小島さん参加)、知らないカラオケに載せるオケ先。(ピアノ先の例が「少年時代」と聞いたが他に数曲あるとか。オケ先て冗談かと思ったがこちらも何曲かあるとか)
「小春おばさん」は父方のおばさんがモデル。母方の親戚と違ってあまり親しくないのが申し訳なくて。
「心もよう」東京を離れるほど感じるものがある。みなさんにもこんな経験があると思うと。
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書いていて、文字にするとなんとつまらない、と思う。実際はところどころ笑わせて話は進んでいるのです。
笑い話の例。北海道初日の前日、スタッフと食事、5時の約束間際に返信の要るメールが2通。服装は?外は寒いのか?テレビは消すとさみしいかも?返信しつつあれこれしつつロビーに下りると、手にリモコンが!
ひさしぶりに大笑いされて快感だったと。そしてまた話すたびに笑いをとっている陽水。トシを取るのもいいものです(*^_^*)
その頃は人気者だったと、ここでもまたファンから逃げてドブに落ちた話で笑わせて、おそらく何十年も禁じられてたかもしれない事件が次々と公けにされたのもこのツアーのおかげか。少なくともわたしには初めての話がいっぱいだった。
そんなに自分のことを話すのを聞いて、言うなれば「井上陽水の成立」を想像上で目撃して、さぞ理解出来たかといえばそうでもない。
ますます謎は増えて、乞う次回!みたいな感じになっています。
「氷の世界」は聴いているだけなのに息切れした。どこか遠くへ行ってきたような自分。
「とまどうペリカン」この日は淡々と。ライオンとペリカンの日常もまた、これからも続く。
なんといってもハイライトは「傘がない」
堂々のフィナーレだった。
終わりはいつも始まり。
この「氷の世界ツアー」の終わりに、なぜかそんなことばが浮かぶ。
過去に戻っていた間に何かがきっと待っている。
ありがとうございました!