今日も井上陽水(忍)

井上陽水ってどんなひと?わからないから知りたくて。今日も明日も明後日も。

   

「桜三月散歩道」井上陽水3月の曲

陽水カレンダー 2023年3月の曲は「桜三月散歩道」

アルバム『氷の世界』の10曲目の曲。

3月といえばこの曲を聴かないわけにはいかない。実はあまり気がすすまなくて、理由は陽水の詞ではないからです。

長谷邦夫 漫画家の方らしいですね。赤塚不二雄に近しい方とか。この詩は、ウィキペディアによると、元々この方の作品だったようです。なぜその詩がこの歌になったのでしょうね。

2014年の「氷の世界ツアー」で陽水はこのアルバムの特徴として
「他の人との共作。忌野清志郎、小椋佳、長谷邦夫の3人。清志郎とは一緒に作ったりしたが、後の2人は知らなかった」
と話していました。また、この曲を歌う前に
「今までライブでうたったことはない。セリフが苦手だから」
とも言っていました。でも、ツアーではちゃんと朗読をして、とても良かったですよね。

あまり気がすすまないと書きましたが、折に触れて思い出す曲です。住まいを決めるときなど、近くに川があるといいな、と思ったりします。
 ♪川のある土地へ行きたいと思っていたのさ

ソノシートなる物を持っていた記憶がうっすらあるけれど、聞いてみなかったらしいです。
勉強不足ですみません。とりあえず曲を聴いてみます。外では風の音がしています。

 ♪だって狂った風が吹くのは三月

(3月3日追記)

「氷の世界ツアー」で陽水がこの曲について話したことをもう少し追加します。

「このアルバムで好きなベスト3に入る」
「依頼されて作曲した」
「雑誌 漫画No.1、ソノシート(CDの薄いの)」
  等々言及したようですが、詳しく書いてないのが残念です。

『氷の世界』の中にあって唯一の恋の最中の歌ですよね。二人はいま一緒に居る。そして覚えやすいメロディ。好きという方も多いです。

 











「小春おばさん」井上陽水2月の曲

陽水カレンダー 2023年2月の曲は「小春おばさん」

“小春日和“とは晩秋から初冬にかけての穏やかな暖かい晴天”だそうですが、♪風は北風冬風♪とうたっているし、固有名詞(仮にしても)らしいので2月でもいいだろうと聴くことにしました。

1974年12月発売のLP『氷の世界』13曲の12番目、最後から2番目の曲。
「小春おばさん」
「高知に住む父方の叔母さん、遠いのでなかなか会いに行けず不憫に思っていた」というふうな陽水の説明は、2014年の『氷の世界ツアー』で聞きました。
学校の春休みか夏休みに陽水少年は、福岡から大分へ、港からフェリーで四国にと旅をしてお父上の故郷を訪れ、小春おばさんに会ってもじもじと挨拶する。そんな姿を想像します。

この歌の歌詞について、怖いという感想をリリー フランキーさんたちが述べていました。たしかに
 ♪誰を誘いに来たのか
 ♪子供は風車まわしまわされ
の箇所はちょっと怖いです。

でも、小春おばさんの家は、“北風が通り過ぎた”  ”僕の大好きな…田舎町“にある。強引にいえば、氷の世界の外側なんですよね。

 ♪こはる〜おばさん〜あいにゆくよ〜〜!

叫ぶようにうたわれるが、以外のフレーズは声も小さくてとてもやさしくうたわれている。

 ♪子猫をひざにのせいつものおばさんの
 ♪昔話を聞きたいな

“小春”おばさんというタイトルをもつこの曲は、アルバムのこの位置にあって、穏やかに暖かな気分を、最後の「おやすみ」に渡しているのではないでしょうか。

実は、そんな雰囲気を感じるのには個人的なわけがあるかもしれない。
『井上陽水コンサート2005(弾き語り)』の四万十公演で、わたしは“小春おばさん”をお見かけしたと思うんです。通路の後の一列目に陽水の叔父様とご家族が居られて、わたしはその斜め後ろでした。
背の高いきりっとした叔父様と小柄な奥様、その方の印象がやさしそうで穏やかな感じだったのです。

「今年は」井上陽水1月の曲

「陽水カレンダー」20231月の1曲目は「今年は」



新年おめでとうございます。

 「今年は」
1976年のアルバム『招待状のないショー。』13曲中の7曲目。
新年にはこれしかないだろうタイトルです。

『招待状のないショー。」は何回となく聴いているが、実はあまり印象に残っていない曲です。歌詞を一読すると、この主人公は正月にひたすら悩んでいるらしい。きみを抱いて約束するかそれとも立ち去るか、動けないでいる。新年のスタートに聴くのに困ったものです。

 ♪指切りが出来ない指
 ♪やさしさを抱けない腕

しかし、陽水が一語一語明瞭に、はやいテンポで歌い出すと印象が変わる。
カッコの中の(それはさみしかろう?!)などが際立って、悩む自分を外から見ている主人公がいます。それなら大丈夫。最後にこう歌っていますしね。

 ♪今年は君の年

みなさまの「今年」が良き年でありますように!


2023年1月の曲はもう1曲あります。お年玉的な?

 「決められたリズム」

2002年の多彩なアルバム「カシス』の11番目、最後の曲
同年シングル「森花処女林」(シングルバージョンらしい)
他には2003年の『GOLDEN BEST SUPER』でも聴くことができます。
(追記) 2002年シングル「飾りじゃないのよ 涙は(ジャズバージョン)」にも収録されています。

映画 「たそがれ清兵衛」のテーマ曲。
最後にぅわ〜と陽水の声が館内に広がるのでした。歌に感動した、泣いたという感想が沢山。わたしも泣いたと思う。
全く関係のない詞と、声とメロディが、武士真田広之が送る生活のリズムと重なるのでした。

陽水は映画を見てから作ったのでしょうか?映画「少年時代」の場合のような面白いエピソードが広まっていないのでわかりません。

清々しい曲。
折り目正しい七五調の詞、風あざみのような造語もなく深読みをしたい表現もないと話題になり難いのでしょうか。
陽水が書くと、フツーがこんなに美しいということを、ファンではない沢山の人に知ってほしいです。

 ♪大空に歌声 決められたリズム

「お願いはひとつ」井上陽水12月の曲

「陽水カレンダー」2022年12月は「お願いはひとつ」

小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげる名義のアルバム『クリスマス』の中の「メリー・クリスマス」も候補としてありますが、わたしの好きなこちらの曲を。

 1982年のアルバム『LION & PELICAN』10曲のうち8番目の曲です。
随分遅れた転校生のわたしが初めて買った陽水のLPでしたが、その時はおそらくこの曲をそんなに意識していなかったと思います。
何年も経った冬のライブで聴いてわぁ!と思ったんです。鐘が聞こえるイントロと張りのある低めの声の歌い出しが素敵です。いままた紙ジャケの『ReMASTER』で帯を外して聴いてみると、やっぱりいいです。(故障中の耳の中でカエルが合唱していても)

 好きだからというだけではあんまりなので、歌詞をちゃんと読んでみました。一番の歌詞が特に好きです。

 ♪冬が街の中へ降りてきた 
  ・・・・
 ♪風は強く強く叫びながら吹いてくる

都会の冬です。ビル風は時に暴力的に吹く

2番
 ♪お願いはひとつ

タイトルのことばですね。誰に言ってるのだろう?降りてきた冬でしょうか。主格は他にないのでそうとしましょう。では冬さん、(紛らわしいので ふゆ とかなで書きます)
ふゆに、輝きや喜びをおくれと頼んでいるんですね。

3番
ふゆは望みを叶えてくれます。クリスマスですね。
鐘が鳴りジキル,ハイドまでが浮かれている。“野外音楽堂の外”とかにちょっと笑って次に進みましょう。ちなみに「リバーサイド ホテル」はこの曲の前、7番目にあります。

4番
イヴには、ふゆはわたしの(ぼくの)胸にもあかりも灯してくれる。優しいです。
しかし!

5番
ふゆはやっぱり寒くて冷たい冬だったのです。わたしは(ぼくは)冷たく閉ざされた場所にいることに気付きます。恋だって届きそうにない。

6番
今のお願いは、こんなブルージーな冬に立ち去ってほしいこと。

 ♪暖かい春になれば
 ♪その頃に会いにゆくから

冬にもふゆにも叶えられない。勝手で無理なお願い。冬は溶けてしまってもう会えません。
そして春夏秋と過ぎてまたこんな冬が来る。

そういう歌詞?
いえいえ、お願いの相手は、ここに登場しないけれど、わたし(ぼく)の胸に居る“あなた”かもしれません。
長々とお読みいただきありがとうございます。

お願いがひとつあります。何かひと言コメントにください。
苦情、近況、好きな曲とか。いいね だけでも つまらん だけでも。「元気です」なら大歓迎!

もう雪が降っている地方のみなさま、今夜から冬が来ると予告されている地方のみなさま

 ♪ナイトガウン何枚も着る

暖かくしておやすみなさい。
よい夢を!









井上陽水カレンダー 11月


「青空、ひとりきり」

歌詞は11月と関係ないです。でも秋の空を感じる曲。

秋には!と訳もなく期待して、待ち人来らずで9月10月が過ぎ、やってきた11月。
銀杏も色づきはじめ旅行旅行の掛け声も聞こえるけれど、終わりそうで終わらない変な空気の中で、宙ぶらりんな気持ちの2022年11月。

 ♪何かを大切にしていたいけれど
 ♪体でもないし 心でもない

残酷な事実には目を背け、好きだったミステリーも暗すぎる。誰も助けず望みもせず。

 ♪悲しい人とは 会いたくもない
 ♪涙の言葉で ぬれたくもない

こんな今年の11月ですが、空はとても深く青いです。

  「青空、ひとりきり」シングル 1975年11月25日 B面は「Flyght」
  『招待状のないショー』アルバム 1976年3月25日 13曲中4曲目


この曲の面白い感想を聞いたことがあります。
今日のうちにアップしたいので、続きはまた明日書きます。

(11月2日追記)

さっきベランダに出たら、空いっぱいのちぎれ雲の間を半月が渡ってゆきました。

リアルタイムで「青空、ひとりきり」を聞いたというファンの方の感想です。正確におぼえていないのですが、「意図して書いた(または狙って書いた?)歌という気がする」というふうなお話。それをうかがって、ずっと陽水を聞いてきたその方の時間と理解を想いました。

『招待状のないショー』というアルバムの構成は、よく練られてまた、捻くれていますよね。
当時の「井上陽水」のイメージを壊そうとしたものなのか?それなら当時のイメージってどんなものだったのでしょう。

まんまと狙いどおりでもかまわない。わたしはコンサートでこの曲を聴くのが好きです。3番終わってちょっと間があってまたイントロが始まるといつも嬉しい。

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